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私が所属している風紀委員に、一風変わった人がいた。
その生徒の名は、宝生カエデ。
一つ上の高校二年生であり、天は二物を与えずとかいう言葉を簡単に裏返すような人だ。テストがあれば常に学年十位には入り、風紀委員長として、学年男女問わず人望があった。
おまけにかわいい。背中に届く長い黒髪に、真っ白な肌。そして、まっすぐなまなざし。まるで精巧な人形のような、はかなさと意志の強さが感じられる、美しい顔だ。
委員長としても忠実な人で、先生からは大きな信頼を勝ち取っていた。
男女ともに人気がある彼女は、二カ月に一回は絶対に告白されている。実際その現場を見たこともあるし。
しかし彼女はその告白をすべて断り、独り身を貫いていた。その感じからミステリアスで隙のない人物のようにとらえられ、さらに根強い人気が高まっていた。
――それが、学校が下す、カエデの評価だったが。
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