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実際のところ、2人の関係は?と尋ねられたらよく分からない。
『客と店員?』、『友人?』それとも……?
とにかく表現できない曖昧な関係だ。
龍ヶ崎からは“好き”だ、と告白されているから、もしかすると俺の返事次第で表現できる関係になるのかもしれない。
「翔琉とゆかりん、本当にお似合いだね」
赤羽の声に、思わず視線を向ける。
大勢のスタッフに囲まれ、何時になく真剣な表情で打ち合わせをしている龍ヶ崎。
そして、その横で頬を赤らめる小柄で可愛らしい旬のアイドル、ゆかりん。
ドラマの画面越しからも伝わる2人のお似合い感。
生で観ると、最早本物のカップルにしか見えない。
そんな2人を見ると、役柄だからと頭では分かっているが思わず目線を逸らしたくなってしまう。
実年齢が28歳である龍ヶ崎が、年相応の物理教師役で、ゆかりん演じる教え子の女子生徒と禁断の恋に落ちてしまう、という華金10時の超大人気ラブストーリー。
そのロケ地に、数ある大学の中から我が校のキャンパスが選ばれたようだった。
当然、超多忙すぎる龍ヶ崎から我が校でロケがあることを知らされる訳もなく、ミーハーな友達赤羽から知らされ、講義終わりに帰ろうとしたところを無理矢理見学に連れて来られたのだった。
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