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リビングの照度を落として、ラグに直接寝転んだ。足元に相方が胡坐をかく。
「山本さんち、お友達の下に赤ちゃんがいるんだよ。
おっぱいいっぱい見ちゃったんだよな、きっと。あそこはデッカいおっぱい4つ? 6つ?」
もっと物が分かるようになってからなら違ったんだろう。今の年齢ではまだまだ大人の顔色なんか構わないし、浮かんでしまった『なんで?』『どうして?』が我慢できない。
「変に大人に気を遣って、黙られるより良かったんじゃない? 素直に思ったことを言えるってことだし、元々俺たちも誤魔化さずに答えるつもりでいたことだ」
なぜウチのお父さんの爪は鋭いのか。
なぜウチのお母さんのおっぱいが平らなのか。
胸を張って説明すればいいのだ。頭では分かっている
「ペタンコって言われたってさ、産まれてしばらくは乳出たし、ちゃんと飲ませてたんだぜ。
ただ、女性ほど乳房が膨らむわけないし、ネコ科の血のせいで離乳が早いから、あいつら覚えていないだろうな」
「あんな可愛らしく飲んでいたのにな。
乳首咥えていないと眠らなくて、両脇に抱えて飲ませながら寝かせていたじゃないか。
……どっかに写真撮ったのあったよな? 忘れないようにリビングにでも飾ろう」
「やめろよ、なんで俺の半裸写真を壁に飾る?
恥ずかしいだろうがっ」
「海水浴の写真だって上半身裸だろ。何が違うの?」
「授乳はなんかヤダよう!
理解しろよそこんところは」
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