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ミツオは車を止めると、降りて、その滝の近くまでいった。
「こんな光景が、東京で見られるとは……」
その滝からの水しぶきが混じった空気を一息吸うと、彼は滝に背を向けて、峠からの眺めを楽しんだ。
すると……
バサー……バサー……バサー……
異様な音が、聞こえてきた。
「ん? 何の音だ……?」
再び滝の方を向いて、呆然とした。
滝の上部から、いくつもの人らしき物体が、降ってきているのだった。
その人物たちは、滝壷に落ちても動かずにいた。
「あれ? 死体?」
やがて、その死体たちは起き上がり、ミツオに迫ってきた。
「ワーオ。ゾンビじゃん」
彼は、車に逃げ込み、アクセルを踏み込んだ。
「まったく、この国道は六な事がないな……」
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