彼は国道100号線を走ってみたら…

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 次の瞬間、テーブルの中央が開いて、オムレツとコーラが登場した。 「あれ? 僕の言葉が通じなかったのか……? ま、いいか……」  彼は、諦めて食べた。  味は、とりあえず美味かった。 「いくらですか?」  また白いAIがクルッと一回転すると、テーブルに、 『オムレツ1万円。コーラ1万円。計2万円デス』 「おいおい、2万は高過ぎるだろう! 店長を出せよ!」  また白いAIがクルッと一回転すると――  ビー! ビー! ビー! ビー!  サイレンのような音が響きだし、防犯用のシャッターが下りるのを感じた。  ミツオは、咄嗟(とっさ)にドアを()って飛び出すと、車に乗って発車した。 「なんという酷い店だ……」  国道100号線に戻っていった。
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