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やっとだ。
やっと立場が逆転した。
ずっとお前を追い続けてた僕が、今度はお前から追われる立場になった。
気分はどうかって?勿論、最高だよ。
追われる立場に慣れ続け、次々と僕に彼女を見せつけてきたお前の顔!あの余裕たっぷりの弛緩しきった間抜け面も舐め回したいくらい愛おしかった。
それが今は、窓の向こうからこっちを見てくるじゃないか。置物のように微動だにしない身体とは裏腹に二つの目は絶え間なく僕を見続ける。
ここまで彼を変えてしまったのは一体誰だ?僕だ。
そんな事も知らずに僕を監視している本当にどうしようもなく馬鹿で愚図で可愛い弟。
考えて、悩んで、苦しんで、悶えて、嫉妬に身を焦がせ。そうして最後はお前の中が僕の全てで満たされることを切に願うばかりだ。
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