それはありえないようであった話

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それはありえないようであった話

「小百合ちゃん。保育の学校を受けるって本当かい?」 おやつの煎餅を齧り、一緒にお茶を飲んでいたおばあちゃんが、ふと、そう言った。 「うん。子ども好きだし、私手先も結構器用だし。ぴったりかなって」 小百合が答えると、おばあちゃんは「そうかい」と頷いた。 「じゃあ、100人の子どもを一人で3カ月保育した保育士の話を聞くかい?」 「え、何それ。聞く!」 面白そう、とばかりに小百合は食いついた。 「うん、それじゃあどこから話そうかねぇ――――」 そうして、おばあちゃんはゆっくりと話し始めた。
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