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校門を出ると、何の迷いもなく一本道を走り抜ける。
その先の分かれ道も、曲がった先の二人の背も、奈緒は一度見た記憶から難なくたどり着いた。
さすがに猛スピードで走ったせいで、二人の背を見て足が止まる。
何度も大きく呼吸し、ようやく落ち着きを取り戻した奈緒は、ゆっくりと二人に近づきながら考えた。
そもそも、比内さんは何故車に飛び出したりしたんだろう。
それとも、車が二人の方へ何かの理由で突っ込んでしまった?
『車に飛び出した女の子を助けたって...』
おばさんの言葉を思い出す。
答えは前者なんだ、それなら歩生を助けるだけじゃ駄目。
比内さんを止めなきゃいけない。
考えているうちに二人の背に手が届く距離まで来ていたことに気付く。
「歩生」奈緒は御守りを握り締めた。
二人はほぼ同時に振り返ると、驚いた表情で奈緒を見た。
「ごめん、邪魔する気はないんだ。ただ...その、」
どう説明すればいいのか、答えが見つからず言葉が出ない。
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