第十四章

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「そりゃあ心配してるよ?じゃなきゃわざわざ来ないって!」 奈緒は独り言を勘違いしてくれた美波に感謝しながら、滲む涙を拭った。 その様子に、美波はハンカチを手渡し、ふぅっと息を吐いた。 「あのね、凪野さん」 受け取ったハンカチを握り締め、どこか急に真面目になった美波の言葉を待つ。 「あたし、昨日ずっと考えてたんだけど、やっぱり凪野さんに手紙渡してないんだ」 「···うそ」 「や、嘘なんてつかないし。そもそも手紙には何て書いてあったの?」 「友達になってって···」 数秒言葉が返ってこなくなり、見つめ合ったまま時間が過ぎる。 唖然とした表情から一転、美波はクスクスと笑い始めた。 「それやっぱりあたしじゃないよ。だってあの時、あたしは凪野さんと友達になりたいなんて思ってなかったよ?」 さらりと失礼なことを言った美波は、すぐに否定の言葉を付け加えた。
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