第十四章

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「もちろん、今は友達になりたいと思ってる」 だから来たのだとー··· 「何で···今は友達になりたいって思うの?あの時は思ってなかったのに?」 「今だから言えるけど、あたし赤坂くんと仲良くしてた凪野さんに嫉妬してたんだ。チョコレートを渡してって見せたのも、本当は意地悪したかったんだよね」 美波は少し恥ずかしそうに俯き、暫くして笑顔を向けた。 「あの時は、凪野さんのこと嫌いだった。でも、そんなことより、赤坂くんと凪野さんを見てるうち、そもそもあたしに入る隙間なんてないって。勝手に凪野さんを嫌うなんて最低だって、気づいたんだ」 なら、あれは誰が? 笹井美波と記載してまで、誰がそんな手紙を? 疑問ばかりが浮かぶ。 「ごめん、気分悪くさせたよね?」 様子がおかしい奈緒に気付き、美波は心苦しそうにこちらを覗き込んだ。
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