無限に繰り返す世界で

貴方のお好みは？

「僕は中学生の皆さんに何をしてほしいかと言いますと命を大切にして欲しいのです。」
　またこの言葉結局はそれに行き着くんだね。私釜山　実彩子（かまやま　みさこ）は溜息をつきそうになった。そして今まで向けていた目線を下に下げた。だってそれ以降は私の期待する話ではないもの。
　命は確かに大切だと思うよでもね生きている中で辛くなったら？自分自身に嫌気が指したら？人間関係がもう嫌になったら？私達弱い人は何をすれば解決出来ると思う？それは死ぬ事だよ。私達は非力だからそんな事しか思い浮かばない。
　もしかしたら全員殺すなんて非現実的な事を言い出すかもしれないけどそれはナンセンス。だって殺す前に通報するし、死ねるかわからないし、人に自分の命を預けてるからとても人任せだよ。不幸になって死ぬまで他人にお世話になるのは嫌だもの。
「……自殺はしてはいけません。親御さんが悲しみますしお友達も悲しみます。貴方が死んだ後一体何人が悲しむと思いますか？家族、先生、クラスメイト、友達、親戚も悲しみます。」
　嘘だね。私のために悲しんでくれる人は零だよ。両親は昔虐待をしていたが亡き父方のお祖母ちゃんに止められて今は銀行にお金だけ振り込んでくれる存在になり、友達は他クラスに行った途端矛先を私に向け、先生はクラスのいじめを無視し、クラスメイトは賄賂で先生を釣っている人たちだ。当然いじめの事実を隠させて上の先生にバレないようにしてる。いじめの事はアンケートに書いても尋問されて終わりだ。
「おい釜山いじめられてないよな？さっさとそう答えろよ！！！」
　と机を叩く猿がいる。妻鹿悪　藺人（めがわる　いひと）という先生らしいが漢字が大層なだけで子供に遊ばれている教師なだけだ。目が悪いのはお前だよというギャグも出来つつある。そんな感じで私は運命の時を迎える。