ようこそ、山と湖の町へ

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駐車場に車が入って来たらしく、明らかにマフラーを交換してる排気音が聴こえる。 それで、ふと聞いてみる。 「車、かなり弄ってます? 冬、走れないですよね?」 「日向くん、車にも詳しいの? 冬はね、ディフェンダー110Sがあるの」 どんな趣味してんだよ? マニアック過ぎでしょ。 店に入って来たのは、若い女性。 キャスパは立ち上がると女性の方へ。 物凄い尻尾振ってる。 目で追いながら。 「えぇまぁ。 356スピードスターのレプリカ、しかもワイドボディで、外装だけじゃなくエンジンもカスタムしてるなんて、珍しいですもん」 黒の356、当に魔女車です。 「ただいまぁ、この子が日向くん?」 子!!!!? 「おかえり。 日向くん、これは娘の悠里よ」 娘!!!!!? ドスっと真向かいに座ると。 「ようこそ猪苗代へ。 ゆり、じゃなくて"ゆうり"よ、宜しくね」 「こちらこそ、宜しくお願いします」 てか、なして強調を? それより、この状況に付いてけない、娘が居るなんて聞いてねーーーよ。 しかも、ガチの山ガール。 余程ビックリした顔をしてたのか。 「何も聞いてなかった?」 と言われ、思わずコクコクと何度も頷くと、2人で大笑。 「悠里は、山岳ガイドなの。 だから、こんな恰好な訳」 あー、なーるほど。
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