おまけ

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おまけ

オンダミサコは憂鬱だ。 現代の暮らしに生きづらさを感じている。 自分の能力を人に提供しその御礼にお金を手に入れる。そしてそれで生活、義務を納める。 簡単に言うとそういう事。 オンダミサコはもう23だ。 新卒で地方勤務の仕事に就いた。 小さな出版社の営業事務で電話番。暇な時はお茶汲み。大学の勉強とは何だったのか。 彼女はよくぼんやりとそう思う。 親は地方から東京へ来て、その子であるミサコは東京から地方へ。 別に地方で働きたいとか、都会の暮らしに疲れたとかそういった訳ではない。 大学では心理学について学んだ。 面接のときには、「大学で学んだ心理学を活かして、営業実績を上げてみせます」なんて思ってもないこと言った。 面接官は人材育成のプロ。 「あなたが営業に向いているかどうかは入ってから判断します」 ごもっとも。 多分30社目位だったかな、やっと受かって電話番。 段々と地方にズレていくうちに中々なところまで来てしまった。 最近過労死事件が多いように思う。 母からはほぼ毎日電話がかかってくる。それに対し私はただぼんやりと返す。 だからますます心配されるのだ。 「なんか疲れてるんじゃない」「無理しないでね」「仕事なんていつやめてもいいんだから」 入社二ヶ月目で早速こんな感じ。 営業事務はあくまでサポート側。基本的に責任を持たされる立場でもないし、私は疲れてもない。 だからまだガンバレル。
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