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『おい、「もうええわ」なんてそんな気軽に言うもんじゃないで』
……なんやねんもう。
ほっとけっちゅうねん。
今、安息未完治メンタルやねんからさ。
『………ああ、返ししょうもな、てか分かりにくい。誰も元ネタ分かれへんわ、これは。俺……ほんまにおもんな』
……いつまでもうるさいねん!!
……そんな事、俺が一番分かっとる。だから一人にしてくれや……。
『……ずっと一人ですやん。……一人で勝手にキレんなや』
――相方と行動を共にするようになって五年。
つまり、漫才を始めてもう五年になるのか。
それがついに昨日で終わった。
昨日は、普段遅刻魔で予定通りに待ち合わせのできない俺の方が、この5年で初めてネタ合わせの公園に着いていた。
「ネタを書いてるのは俺だ」という理由で、俺は今まで一度も相方より先に待ち合わせ場所に着いたことはない。これはネタを書いている者だけの特権やからな。まあ俺が勝手に決めたんやけど。
まあつまり、昨日は異常事態だったわけ。珍事なわけよ。
時刻は確か…………そう、夕方。
大体17時やった。思い出した。
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