四章

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「う……」 「ルイーズ!?」 苦しそうに足を抱えて呻く彼女を見ながら、寝っ転がったボスが下卑た笑いを浮かべる。 「男の心臓を狙ったつもりだったんだが、まぁよいか。足の不自由な女を連れて逃げるのは、至難の業だろうな」 「……くそっ」 ボスの手に銃口を向けると、後頭部に硬く冷たい何かが突きつけられた。 「100分経ったからな」 デズモンドの氷点下の声。硬く冷たい何かは、間違いなく銃口だ。 「殺すか? うちのボスを」 ここまで来て諦めるのは真っ平だ。しかし現状を覆す手段も思い付かず、ゆっくりと小銃を手からこぼした瞬間だった。
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