一章

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ケイズリー社のアジトの前、取り敢えず裏門から適当に小石を投げてみる。反応がないところを見ると、罠があるなら感熱センサー式か。 考えても、埒があかない。 俺は柵を飛び越えて庭に侵入する。威嚇するような機械音を無視して走ると、正面玄関が開いてガタイのよい組員が飛び出してきた。 入り口が開いたなら丁度良い。 俺は小銃を取り出し呻き声の渦を強行する。玄関に一歩足を踏み入れた瞬間、自分の銃とは違う銃声が聞こえた。 「あ……!」 一瞬動きを止めると、そのまま床に押さえつけられる。撃たれた肩から、容赦なく。 「うあぁぁぁっ!」 獣のように鳴く俺が何者であるか、俺を捕らえた男は気付いたらしい。 「おい、コイツ……!」 「あぁ、シェイタナ社の組員だ」 俺の首筋に見たのだろう。うちの組織の刻印を。
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