1/6
686人が本棚に入れています
本棚に追加
/55ページ

 元カノのお陰で旧交が温まったって感じだよ。  いくら親友って言っても社会人になってからは年に数回しか会ってなかったからね。  喜ばしい事じゃん。そんな嫌そうな顔するなよ。ケーキ買ってきたから。 「どういうつもりだよ。毎週毎週、週末になると来るとか。なんなんだよお前」 「平日も来て欲しい?」 「……やめて」  一応これでも変な事してるなーとは思ってるんだよね。  だから最初の日以外は大人しく寝てるじゃん。  オレはさ、温かい抱きまくらが欲しいだけなんだよ。  それにお前とバカ話してるだけでも学生に戻ったみたいで、楽しいからさ。 「良いでしょ。春真って彼女居ないよね今」 「居たら秋彦に、こんなに時間裂いてない」 「居なきゃ裂いてくれるんだ。ずっと作んないでね」 「自分勝手、自己中、わがまま」  そんな事言いながらも、ちゃんと美味しい晩飯とか用意してくれるとこが良いよね。  オレ昔からお前が嫌がってる顔が好きなんだよ。  正確には嫌がってるのに拒みきれない感じ?  優しいよね。だからオレと友達やれるんだろうけど。 「ごちそうさま。美味しかったよ。お礼にケーキ食べさせてあげる」
/55ページ

最初のコメントを投稿しよう!