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起きてる時にはかわいいなんて、思ったこともなかったんだけどな。中学からの親友だけど。
「ちょっと…………秋彦さん……?オレ今年一番のまさかの展開に、すげえビックリしてんだけど……?」
あー。春真が起きちゃった。
もうちょっと堪能してたかったのに。そんで今年って、まだ1月だよ。
「んー。オレもだよ」
「なにやってんの」
「春真が、オレに、抱きしめられてるんだよ」
「……お前フラレて宗旨替えしたの?」
「違うよ」
「だったら離せよ。キモいから」
「いやだ。オレはキモくない。ハートブレイク中なんだから許してよ、このくらい。淋しいからって女の子に手当たり次第、抱きつくよりはマシじゃない?」
髪の毛と首筋からいい匂いがする。
モゾモゾ動くから、ギュウって押さえ付けたくなるんだけど。
してもいいかな。
「──っ、おい!だからってオレにサカんなっ!」
「えー。これはそんなんじゃないよ」
……ないのかな。ウン、ないだろ。でもこうモゾモゾされるとなあー。
「春真ー。あんまり暴れない方が良いよ」
「はあ?」
「ほら、男の狩猟本能が発動しちゃうから」
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