688人が本棚に入れています
本棚に追加
/55ページ
「はあー?──は、な、せっ!」
「ダメだって言ってるのに」
そんな事されたら力づくで抱きしめちゃうよ。
ジタバタしたって無駄でしょ?こんな体勢じゃ大した力は出ないもんね。
女の子にはこんな乱暴できないもんな。反応も新鮮でなんかゾクゾクしてきた。
「痛…っ。お前、なんかハァハァしてて怖い」
「お前が手の中でもがく小動物みたいで、気持ち良くなってきちゃったんだよ」
「余計怖くなるから理由言うな」
まだ逃げようとしてる。
ちょっと心ゆくまで抱きしめさせてくれたら、満足するのにさあ。
「大人しくしてよ」
せっかく抱き心地いいのに。
「オレ嫌がってるだろ?本当おまえ自分勝手な奴だな」
「なに地雷踏み抜きに来てんの」
さっき愚痴っただろ。フラれた理由がそれだって。
「あんたみたいな自分勝手なやつが本命だと思ったの?」とか信じられないこと言われたって。
「あ──ゴメン」
皮肉って訳じゃないんだね。
まあ春真はそんなイヤミ言わないか。
「別に怒ってないよ」
最初のコメントを投稿しよう!