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「いらねえよ。オレを女の代わりにしてんなよ」
「恋人はいらなけど、甘い時間は欲しいじゃん。はい、あーん」
「だからその相手がオレで、楽しいの」
食べないのかと思った。食べてくれるんだね。
……何で笑ってんの?それオレに食べさせるの?
「はい、あーん。どう?嬉しくないだろ」
「普通に嬉しいけど?」
「──そういう奴だよ。秋彦は」
なんかいつもよりスイートな時間過ごしちゃったね。
そのせいかな。腕の中の春真が愛おしいっていうか。もっとじゃれ合いたかったっていうか。
ん?マズくね?その欲求は、危険じゃない?
春真はスヤスヤ寝てるし──いいか。ちょっと力入れて抱きしめるくらい。
いい匂い……する……。うなじ、細い。
──舐めたい。
ああ、今オレ舐めたいってはっきり思ったね。道を踏み外し掛けてるね。
え?今向き変えるの?
寝息立ててる唇が薄く開いて──なんかさぁ。
なんでそんな無防備な寝顔見せるの。キスされたの忘れちゃったの。
……ああもう。
「ん──んんっ、あ、秋彦、お前またっ──」
「春真……、ん……ん……っ」
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