16人が本棚に入れています
本棚に追加
ある晴れた日のことです。
100匹くらいのありんこは、
遠くの街までお出かけすることにしました。
山を越え、
谷を越え。
森を進み、
野原を抜け。
100匹くらいのありんこは、
ぞろぞろぞろぞろ、
歩いていくのでした。
そして。
雨を避け、
夜を越したころ。
100匹くらいのありんこの目の前に、
大きな池が見えてきました。
100匹くらいのありんこは、
ほっとしました。
この池を渡れば、
もう街に着くのです。
100匹くらいのありんこは、
一緒に泳いでわたりました。
ぷかぷかぷかぷか浮きながら、
なんとか泳いでわたります。
ついに向こうの岸までついた100匹くらいのありんこは、
みんなで街に到着しました。
100匹くらいのありんこは、
みんなで街に来られたので、
みんなみんな大喜びでした。
1匹のありんこは、
池に取り残されてしまいます。
泳ぐことが苦手な1匹のありんこは、
もがけばもがくほど沈んでゆきます。
でも、
1匹のありんこが池に深く沈んで行くことを、
100匹くらいのありんこは知らないのでした。
――おわり。
最初のコメントを投稿しよう!