空手指導員デビュー

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10代のころの私は股関節が非常に柔軟で、180度開脚をしたうえで胸を床につけることができるほどでした。そのおかげで私は、回し蹴り、後ろ回し蹴り、飛び回し蹴り、飛び後ろ回し蹴りといった回転を入れた派手な蹴りを得意技にしていたのです。 (見た目重視の私の技はモーションが大きすぎて、組手では一度として相手にヒットしたことがありませんが) しかし20代以降、ろくに運動していなかった私の身体はすっかり固くなっています。 まずはこれから当分の間は10代の頃の柔軟性を目標にストレッチに励むことにしました。 稽古時間近くになると、ぼつぼつと生徒が集まりはじめました。 生徒たちの多くは中川先生と同じ会社に勤務する人たちの小学生から中学生くらいの子供たち。 あまり「最強」だのを目指すノリではありませんので、その点は気楽です。 しばらくすると今度は留学生でしょうか?数名の若い外国人たちが道場に入ってきました。 人種も国籍もバラバラなようで、お互いに日本語で話し合っています。 ・・・なんだ、別に英語いらないじゃない。 稽古開始の時間になったので全員を整列させます。 「オース!みなさん、はじめまして。ええと今日から指導員を務めさせていただきます、冨井です。よろしくお願いします」 「オッス、お願いします!」生徒たちが答えます。 ※稽古中の私。一人前に黒帯締めてますが、実力は・・・とほほです。 cb8c287a-930d-47fd-bd9e-99af10d6d138     
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