プロローグ

2/4
34人が本棚に入れています
本棚に追加
/263ページ
コロンボは首都ではありませんがスリランカ経済の中心地で、今歩いているところはそのコロンボの中でもビジネス街といえるフォート地区というところです。多くのビジネスマン、物売り、サリーを着た女性、三輪タクシーの出す排気ガスとカレーの入り混じった匂い。そしてとにかく騒々しいところです。 スリランカの赤道直下の太陽は凶悪な熱を持って頭上に輝いています。その熱は暑いとかいうレベルではありません。熱いのです。ちょうど頭の50cmほど上に炭火を乗せた網をかざされてているとか・・・そのくらい熱いです。慣れているとはいえよくスリランカの人たちは平気で歩けるものです。 そんな灼熱の都会をフラフラとおぼつかない足取りで歩いている私に、さきほどから英語がそれほど得意ではない私にも理解できる分かりやすい英語で、盛んに話しかけながら着いてくる16~17歳くらいの少年が居ます。 「フレンド!なあ友達、お前どこに行くんだ?お腹が空いてないか?いいレストランがあるよ、紹介するぜ。ホテルはどこ?今夜泊るところはきまってるのかい?」 スリランカで友達を見つけるのはトイレを見つけるよりよほど簡単です。 ただ街を歩いているだけで、自称・友達はすぐにやってきますから。 彼らはガイドボーイと呼ばれている少年たちで、旅行者に一方的に話しかけては頼んでもいないガイド(?)をしてガイド料をせびるのが仕事なのです。     
/263ページ

最初のコメントを投稿しよう!