私の経歴

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もしかしたら、これらの噂を本気で信じておられる方が居るかもしれませんので、この場ではっきりさせておきますが、ぜんぶ嘘です。 これらはバンコク在住の日本人の友人に話して聞かせたホラ話が独り歩きして、さらに尾ひれがついたものですのでまことに申し訳ございません。 真実の私はまったく強くはありませんし、そもそも空手家ですらありません。 私が空手と出会ったのは中学生のときで、当時はブルース・リーや空手バカ一代などで大変な空手ブームでした。近所の空手道場に稽古に通っておりましたが、それほど熱心というわけでもなかったので、さほど強くもなりませんでした。 高校生になってから、とても強いと評判の空手道場に移りました。 しかし私はどちらかというと、組手や実戦の強さよりも派手な大技・・ブルース・リーみたいなカッコイイ蹴り技が好きで、飛んだり跳ねたりそんなことばかりやっておりました。 見てくれだけの技なので、試合では一度も勝ったことがありません。 「中国拳法には花拳繍腿という言葉があってな、花の拳に刺繍の蹴り。見た目は派手だがぜんぜん強くないって意味だよ。富井、まさにお前のことだよ」 当時、黒帯の指導員だった中川先輩によく言われたものです。     
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