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エピローグ
暑い日差しが、わたしを照らす。
遠くから蝉の声が聞こえてきて、耳の中まで暑い。
加えて丘を登っていくから、息も切れるし、汗も吹き出る。
もうすっかり夏だなぁ。
日陰も少ないし、気を付けないと熱中症になりそうだ。
『ご主人さま、大丈夫ですか?』
『へばるの早いわよ。体力落ちたんじゃない?』
先を行く娘たちが声を掛けてくれる。
二人はドールだから、暑さとか関係無いのかな。
「うん、大丈夫。今行くよ」
わたしは二人の手を取った。
両手が冷たい。ちょっとだけ元気が出たような気がする。
それにしても、二人とも成長したなぁ。
精神的にもそうだけど、体格的にも。
アリスの件から人間と人形の境目が曖昧になってきてたけど、最近は特に顕著だ。
ヒメコは感情表現が豊かになったし、身長も伸びた。なにより、泣けるようになったのが今までとの違いだろう。
イノリはイノリで更に成長中。身長は、ヒメコと殆ど差がないくらいまで大きくなった。
…この先どうなるのか時々不安になるけど、なんとかやっていこうと思う。
イザベラさんも、まっちゃんもいるし、今のわたしは一人じゃないから。
因みに、マリコは相変わらず世界中回っているらしい。
たまにお土産とか送ってくるから、元気ではあるようだ。
「ヒメコ、マリコとは連絡取ってるの?」
『たまーにですが頭の中に話し掛けてきます。大体はどうでもいい話なので無視してます』
うーん…姉妹間の確執は深いらしいな。
実の姉妹なんだし、もうちょっと仲良くしてもいいんじゃないかな。
『あたしんトコにはしょっちゅうあるわよ。お正月には顔出すって言ってたわ』
逆にお姉ちゃんズは仲良いのか。
しかし、正月に帰るっていわれても、ちょっと困るんだけど。
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