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そして、あった。4年前の6月に、
溺死した男の死体。ナンバー 6078277
氏名不明。身長168㎝、生前の推定体重約50~55キロ。
灰色ジャンパー 黒のスェットズボン。灰色ブリーフ。白い半そで肌着。
首チャック付きのトレーナー。
持ち物、上着の内ポケットの中に質札。背中に創傷あり。財布、現金十六万 と3456円。鍵1本。文庫本「山頭火句集」
愛知県名古屋市西区比良 蛇池のそばで発見される。
心あたりのある方は 名古屋市生活保護課へ
ああああああああ、あった。
ぼくは、第六感のようなもので、この人物がオヤジであると確信した。
背中の創傷。
蛇池のそば。
山頭火を持ち歩いていた?
これこそ、オヤジに違いない。もう、すでに当然だが荼毘に付されていた。
オヤジ、どうして、溺死?
溺死 ぼくは、茫然とする。 なぜ、溺死なのか。
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