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ぼくは首にまいていたタオルをはずすとそれに顔をうめてむせび泣いた。さらに、
「し、城田さん、これからの事は、きっとぼくがなんとかしますから」
と、安請け合いしてしまったのだった。
時計がまたちぐはぐな音をつげた。
「あらあら、まったく、ひねくれ者さんね」
そういって城田さんは脚立を時計の下に運び、その上に上がり時計のふたをあけた。ねじが中に収められていたのだろう、白い手で取るとジーコジーコと巻いている。優雅な手の動きをぼくはうっとりと見ていた。
「さ、これでよし」と振りかえり、あの笑いを浮かべる。
脚立から降りる時にスカートから白い脛が覗き、ぼくの脳はとんでもなく、たいへんなことになっていた。
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