分解日和

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 町の分解整備屋の親父のところに持ってけば話は早いのはわかってる。あそこなら分解室があるし、メンテナンスの精度も高い、3ヶ月みっちり働いたおかげでいつもよりギャラも多めに残ってるし、持って行けなくはない。  ただなぁ…一回持っていくだけで、2ヶ月分の家賃が吹っ飛ぶ。いくらプロは道具にこだわると言ったって、こっちにだって生活はある。幸い今日は1日オフだし、こんないい日だ。外の日の光でも浴びながら、ゆっくり分解するとしよう。  銃には一見、継ぎ目が無いように見える。片腕を伸ばしたくらいの銃身は滑らかに丸みを帯びていて、筒の突端の発射口はトリガーに連動して開かれ、それ以外は密閉されている。  銃の内部素材はひどくデリケートなので、それ自体は環境の変化に耐えられない。外部の環境変化が内部に影響しないように、普段は銃全体が強く密閉されている。だから分解する環境には気をつかわなきゃならない。
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