分解日和

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 銃の尻の部分に小さなツメがあって、その部分をうまくはじくと、分解の足がかりができる。銃にはネジやクギは使われていなくて、パーツはすべてツメで連結されている。  連結パーツの片方に凸のツメが、もう片方に凹の、ツメが引っかかる穴があって、そいつらをパチっとはめることで連結される。プラスチック安い小物入れなんかによくあるやつだ。ああいうのは力を入れた拍子にツメを折ってしまうから気をつけなきゃいけないが、銃のツメは相当に頑丈な合金だから、折れるとしたら俺の指の方だ。  ツメの部分にノミをおっ立てて、うまい角度で木槌でノミを叩くと、最初のパーツが外れる。ちょっとしたコツがいる作業だ。  銃の尻を3センチくらい輪切りにした感じでパーツが外れるのだが、それで現れるのは次のツメだ。ここにノミを入れるとまた、3cmの輪切りが外れる。  まっすぐな銃身は、実はこの3cmの輪切りがジョイントされてできている。カブトムシの幼虫の体は、段々腹になってるだろ?あんな感じでパーツがジョイントされているんだが、組み上げると外見上は、完全に継ぎ目が無くなる。よくできた代物だ。
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