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ぼくのとなりには君にいてほしかった。
悪いやつというのは、生まれた時からそうだったわけじゃない。むしろそれまではとても善人で、常識もあって、人に気を遣いすぎるくらいつかっちまうような奴だったんじゃないのかな。
それがある日、なにかのきっかけで豹変する。今までのいい人を演じてきた自分を否定し、たたきつぶしたくて、わざと大げさに悪人を演じるんだ。
「……さあ、答えてもらおーか。りょうちゃん」
俺を体育倉庫の裏においつめているのは、かつては俺の親友だったはずの男。だけど今はその面影は皆無。俺より20センチも高い身長を利用して、俺を壁にぬいつけ、囲うようにしている。
雨音がうるさい。屋根もないから、容赦なく俺たちをびしょ濡れにする。
曇天のせいか、すぐ近くにいるはずのアイツの顔がよく見えない。
黒い影とかしたかつての親友に、押しつぶされそうになりながら、俺は決断を迫られていた。
「……観念して、おれと、つきあう?」
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