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そう言われたらそうだ。
俺が今着てるのは獅王学園指定の体操服だけど、他の学校みたいに校章とかが縫われてない(理由は聞いたけど忘れた)しスポーツウェアにしか見えないから、一目見ただけでは体操服だと分からないはず。
・・・あのイケメンさん何で分かったんだろ。
「何か気になるな、あの従業員。」
「えっ、幸浮気すんのぉ!?雅様というものがあるのにぃ!?」
「やめろ依。誤解が生まれるだろ。・・・そうじゃなくて、何か違和感あるんだよ。」
えー、誤解じゃないと思うんだが。
まぁ真剣な顔をして考え始めた幸を邪魔するのは気が引けるから、茶々を入れるのはやめておこう。
俺は空気が読める男ですしおすし。
代わりに雅と話そっかなーって思って雅を見たら、雅様も雅様でこっわい顔して何か考えてたのでお口ミッフィーにすることを決めた。
俺、空気が読める男なので。(キリッ)
ーーーーー・・・
・幸 side・
意味不明なドヤ顔を決める幼馴染を見て、心の中で盛大なため息を吐く。
どうせ、何か変なことを言おうとしたけど幸も雅も真剣な顔してるから空気読もう、俺空気が読めるし。みたいなことを考えてるんだろうな。
・・・危機感がなさすぎて無性に殴りたくなってきたわ。
俺達が真剣に考えてるのは!!お前の!!身の安全について!!
雅だって怒ってはいるものの、その根底にあるのは依を心配する心だ。
その心は依に1割も伝わってない気がするけど。
しかも依に対する好意すらも伝わってないから、雅が可哀想すぎてしかたがない。
俺の幼馴染がポンコツで本当にごめん、雅。
・・・まぁ、とりあえず。
あの人からの最期の願いを叶えるために、俺は依を守り抜かないとな。
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