友達

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「はは、あんたウケる」 「ウケる?」 「面白いってこと」 「私が……面白い。どこが?」 「どこが? 猫と話せるなんて面白いじゃん」 「そうかな?」 「話せたら良いことたくさんあるし。野良猫の飼い主探し出来るし、事故に遭わないように注意も出来るし」 「……考えたことなかった」 「私猫好きなんだ。話せるなんて羨ましい」  羨ましいなんて、この人も市ノ瀬くんと同じようなことを言う。不思議な人だ。 「……名前聞いていい?」 「美和」 「私は朱里」 「朱里、次パス練だってさ」 「うん」  その後はとくに話すこともなく黙ってパスを出し合った。 「吉川さん、帰ろう」 「うん」  教科書をカバンに詰めると、席を立った。そんな朱里の耳に女子生徒の声が届く。
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