ダーリンとハニー

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ダーリンとハニー

 夕方。 私は外回りの仕事を終え、会社へ戻ろうとしていた。最寄駅で電車を降り、駅のホームを歩いていると、突然ポケットに入れていた携帯電話が鳴り出した。 「ダーリン、私よ」  電話の相手はハニーからだ。 「やあ、ハニー。どうしたんだい?」 「ねぇ、ダーリン。今どこにいるの?」 「駅前だけど?」 「駅前!?本当!?」   受話器越しのハニーの声が1オクターブ高くなる。 「よかった!あのね!ちょっと油断してたら、欲しかった洗剤がなくなっちゃってたの!駅前の北口側にあると思うから買ってきてくれない?」 ハニーの言葉に私は眉をひそめた。
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