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頭の中で様々な恐怖が文字となって暴れる。
それらが恐怖を風船のように膨らませていく。
恐怖に耐えられなくなった俺は、
壁を殴って蹴った。
床を踏みつけた。
踏み潰した。
足と手が痛くなったことで壁に対して腹が立った。
だから思い切り唾を吐いてやった。
3回目の唾を吐きかけたところで、
自分のしていることにようやく恥ずかしさを感じた。
とりあえず落ち着け俺。
そう、
いつも通りに深呼吸。
吸って、
吐いて。
吸って、
吐いて。
吸って──ダメだ! こんなんで落ち着けるわけがない!
「誰かいないのかよ!!」
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