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プロローグ ここは殺しアイランドさ!
プロローグ
波の音が聞こえる。
けれど、
夕陽に照らされた白い砂浜が思い浮かぶような、
そんなロマンチックな音じゃない。
鉄の板に海水が激しくぶつかって、
それが弾ける音。
夕陽どころかここには何の明かりもない。
それでもわずかに壁や床らしきものが見える。
どうやら俺はこの、
鉄の板の中にいるらしい。
鉄の板で囲まれた何かの箱の中に。
この灰色の部屋に窓はない。
でも海が大荒れなことは先ほどからの揺れと音で分かる。
──ところで俺は、
どうしてここにいる?
いや、
違う。
どうして俺は、
ここに閉じ込められている?
何か手掛かりを求めて壁をつたって、
この部屋の中を歩いてみた。
ここは何かしらの船の中だとは思うが、
人間を乗せていく船とは思えない。
ドアもなければやはり窓はない。
どこもかしこも鉄だらけで暖かみが無い。
俺はこの船になぜ乗っているんだろう?
漂流しているわけじゃないよな?
この船には他にも人がいるんだろうか? いや、
いるはずだ!
いつから俺はここにいる? 今は何時だ?
この船沈むんじゃないだろうな? そもそもこれは船なのか?
まさか拉致された? それとも・・・
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