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そんなに焦らなくても、何もしないのに。
荷物の片付けが終われば、万琴さんとイチャイチャしたり、のんびりしたり色々できる。
それに……万琴さんには内緒にしてたけど、どうしても渡したいものがある。
買うのは恥ずかしくて勇気がいることで、同時に店内にいる幸せそうな男女のカップルを見て、俺は何で万琴さんを連れてこなかったんだろうと後悔した。
男同士で指輪とかアクセサリーを贈るのは、よほど親しくて相手の好みを熟知している場合で、そしてデザインも男らしいものだろう。
シンプルな指輪でペアなら、変な目で見られるのは確実だもんな。
変な目で見られるのが嫌で一緒に行かなかったなんて、俺は全然変わってない。
万琴さんのこと、本当に好きならもっといいやり方があったと思う。
「透、手が止まってるよ。僕はここにある食器を洗うから、透も残りの食器の包みを取ったら持ってきてね」
「あ、はい」
いけない、ぼんやりしてた。
食器の包みを取っては重ねてを何度か繰り返して、一応全部の食器を出し終わる。
そんなに数は多くないけど、食器はあるに越したことはないからな。
食器を洗ってくれてる万琴さんのいるキッチンに運ぶ。
足下には気を付けて運ばないと、皿は割れて全滅なんてこともあるかもしれないし。
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