花咲き春色ハッピーエンド

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お茶を飲むのを一旦やめて、俺はいつも会社に持っていく愛用の鞄をごそごそと探る。 鞄の中に大切に入れたから、ちゃんとあるはず。 「透どうしたの?書類か何か探してるの?」 「書類よりも大事なものです」 「手伝おうか?」 「お構いなく」 「そう?じゃあ僕、菓子鉢にお煎餅入れてくるから、ちょっと席を外すね♪」 「すみません、気を遣わせてしまって…」 「ううん、気にしないで」 万琴さんの姿が見えなくなってから、自己嫌悪で盛大な溜め息をつく。 気を遣わせて無理に笑顔にさせて…俺ってダメダメすぎる。 そう思いながら、鞄を探ると手にカサカサとした小さな袋のようなものが手に当たる。 そろそろと鞄から出してみると、買い物をした店の刻印がある袋だ! よかった…! これで万琴さんに渡せる! 受け取ってくれるかな? ドキドキしながら万琴さんを待っていると、煎餅の盛られた菓子鉢を持って、万琴さんが戻ってきた。 「緑茶にはお煎餅は合いますよね♪また今度お煎餅買わなきゃ♪」 席に戻って、煎餅を嬉しそうに食べる万琴さん。 万琴さんは確か醤油煎餅が好きなんだよな。 和菓子も好きみたいだけど、ちょっとお高いイメージあるから、あんまり買わないような…。
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