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二枚くらい煎餅を食べた万琴さんは指に付いた醤油ダレを舌で美味しそうに舐め取っているんだけど、その仕草がエロすぎる!
無意識でもそうじゃなくても、男を誘っちゃうからなこの人…。
男なのに異常に綺麗だし、男のいいところ知ってるし、男を悦ばせるのも上手くて……これだけでも男としては欲しくなる。
ムラムラしないように欲望は無理にでも押さえつけて、指をキチンとウェットティッシュで拭いている万琴さんに呼びかける。
「万琴さん、ちょっといいですか?」
「ん?透もお煎餅食べる?」
「あ、煎餅は後でいただきます。え~と、コレを受け取ってもらいたくて…」
万琴さんの目の前に、紺色のベロア地のケースを差し出す。
「これって…もしかして…」
「指輪です」
ケースを開けて、中にあるシンプルな指輪を見せる。
誰が見ても結婚指輪と分かるヤツだ。
「指輪が二つあるね…」
「一つは俺の指輪です。ちょっとサイズが大きいんですよ」
「二人の指輪…」
「俺は全然強くないし、凄い子供に見えるかもしれません。それでもあなたと一緒に歩いていきたい。身体だけじゃない、心も時間も俺に預けてくれませんか?」
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