月明かりの睦言

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言われるまで、自分が泣いてるなんて知らなかった。今は泣いてたことよりも、万琴さんがハッキリと「好き」と言葉にしてくれたことの方が嬉しくて、更に深く身体を繋げる。 「あ、はぁ、深…!そんな…されたら、イっ…ちゃ…う…!」 「イっていいですよ。イってる万琴さん、凄く綺麗だから」 「…バカにしてる?」 「まさか。本当にそう思ってますから」 そのまま、声を殺すようにしてイってしまった万琴さんが前よりも可愛くて綺麗で、俺もそんなに時間がかかることなく、万琴さんの中に熱を放ってしまって、簡単な後始末だけすると、強烈な眠気に襲われ、そのまま眠ってしまった。 「ん、もう朝か…」 障子からでも分かる明るさで、目を覚ましてぼんやりと寝落ちするまでを思い出す。 と言っても、万琴さんとしたことしか思い出せないんだけど。 ふと、俺が見た夢かと思ったけど、部屋はルームシェアした時の和室だし、畳に直に敷いた布団だって、俺の部屋とは違う。 だんだん頭がクリアになって、畳に散らばった服を急いで身に付けて部屋を出る。 いつもなら万琴さんはキッチンにいる時間のはず。 キッチンには穏やかな朝の風景があった。
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