9人が本棚に入れています
本棚に追加
/8ページ
4.
ふたりで、うちの前に、ふわりと足をおろした。
さむいはずなのに、顔や手は、ぽおっとあったかい。
ふたりで、くすくすわらう。
あたまやからだについた雪をぱたぱたとはらう。
「ねえ、ちかちゃんて、まほうつかい?」
「まさか! ちがうよお」
でも、ぼたん雪を見上げたら、空をとぶのなんてかんたんなことかもっておもった。
それからもうひとつ。
まほうつかいはおねえちゃんのほうだよ。
おねえちゃんがおふとんのへやまできて、
「ごめんね」っていってくれた。
そのときから、心がかるくなったもん。
「ずっとおそとにいると、かぜひいちゃうわよ」
ママが中からよんでる。
「はあい」
ふたりでそろってへんじした。
「ね、さっきのきりがみ、もういっかいつくって」
「うん。ピンクいろでね」
「それからね、ケーキやさんごっこしようか」
「うん!」
やっぱりね。
おねえちゃんなら、そういうとおもったんだ。
最初のコメントを投稿しよう!