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３.
まどのむこうに、ぼたん雪がみえた。
あかりの中で、しずかに、ふわんふわんとふってる。
「おねえちゃん、おそとにいこう」
「え？ そと？」
ふたりであかりの下にたって、そらを見上げた。
雪が、ふわあっとひろがっていく。
ああ、きりがみをひろげたときの、レースもようみたいだ。
つぎからつぎへと、雪が生まれてくる。
ちかたちをつつみこむように、ふってくる。
ふわんふわん
「すごい！ からだがかるくなって、とんでくみたい」
おねえちゃんが、目をきらきらさせてる。
うれしくなって、うふふってわらった。
おねえちゃんと手をつなぐ。
そしたら、スーッと足がういてきた。
雪が、はね毛のように、顔やせなかをなでていく。
ああ、まっ白だ。
みちも木も、そしてやねにも雪がつもって、まっ白だ。
きょう１日で、こんなにつもったんだ。
水の中をおよぐように、ゆっくりバタ足をしてみた。
からだがスーッとすすんでいく。
車がむこうまで、ぎょうれつになってるのが見える。
赤いライトが、つながっている。
さくらのなみきは、白いクリームをぬったみたいでおいしそう。
ようちえんも見えた。
ぶらんこもすべり台も、こんもりと雪をかぶってる。
とんがりやねは、白いぼうしをかぶってる。
おうちのまどにはあかりがともる。
そとの雪をてらしてる。
いっぱいのおうちの中に、それぞれすんでる人がいる。
きょうのことをおはなししてるのかな。
そういえば、さきちゃんはなわとび、とべてたな。
はじめてできたんだって。うれしそうにわらってた。
しんちゃんは、おべんとうをいちばん早くたべられた。
とっても、とくいそうだった。
くみちゃんは、おりがみがうまくおれなくて、ないちゃった。
ママにおしえてもらってるかな。
わこちゃんはきっと、ぼたん雪のことだね。
ちかと見てたってはなしてるかな。
きょうのみんなの、いろんなきもち。
その上にふんわり、おふとんをかけるよ。
まっ白で、ふわふわの雪のおふとんだよ。
ちかはおねえちゃんの顔を見た。
にこって、わらってた。
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