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2.
ピンポーン!
げんかんのチャイムがなった。
おねえちゃんだ!
ろうかをはしっていって、ドアをあけたの。
「おねえちゃん、おかえり!」
でもね、ちょっといきおいがつよすぎたの。
いきなりドアがあいたもんだから、おねえちゃんびっくりしたんだ。
手にもってたものをおとしたの。
ちかの足の下で、バキッて音がした。
あわてて足をどけたら、ネコの顔した、おめんがあった。
「え? うそお」
おねえちゃんがさけんだ。
おめんは、はながとれて、ほっぺたがわれちゃった。
「これ、こわれないように、そっともってかえってきたのに……」
こえが聞こえたのか、ママが出てきた。
「どうしたの」
「ちかちゃんがふんずけた!」
「ちか……わざとじゃないもん」
「ほら、わざとじゃないっていってるじゃないの。
ちかはわこちゃんとおそとであそべなかったから、おねえちゃんをまってたのよね」
ママはちかのかおをのぞきこんだ。
おねえちゃんは、くちびるをかんでる。
そして、こわい目でちかをにらんだ。
「わこちゃんとあそべなくたって、ひとりであそんでればよかったのよ!
ちかちゃんがはしってこなかったら、こわれなかったのに!」
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