2 事件を追う者

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2 事件を追う者

 私は車を降り、警察手帳を翳し、郊外の倉庫の中へと入って行く。既に現場には、数台のパトカーが止まっており、数十人の警察官で現場は埋められていた。  私の目の前には異常とも言うべき、凄惨な光景が飛び込んでくる。  余りの異常性に目を覆いたくなる。  椅子に座っている白いドレスを着た女性……。いや着せられていると言った方が正解か……。顔が分からない。と言うか、原形を止めていない……。ぐちゃぐちゃになっていると言ったらよいのだろうか。両眼は抉られていて、口が開いた状態になっている。白いドレスは鮮血で染め上げられ、何箇所か刃物のような物で切り裂かれている。しかも身体も……。  女性の前には男の死体が寝かされている。  男の死体もまともな状態ではない。顔が滅茶苦茶にされていて、両眼が抉り取られ、両手、両足が切断され、全裸の状態で、体中が鋭い刃物のような物で切り裂かれている。  私は正視できる心境ではなかった。鮮血の金属的な生臭さが、部屋の中に充満していて、死体を見慣れている人達ですら、嘔吐をしているような環境だ。  警官達が不意に大声をだす。     
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