2 事件を追う者

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 女性のお腹から、男の切断された両手と両足が内臓と一緒に飛び出して来たのだ。  私は思わず目を覆いながらも、男の死体の反対側にある椅子に視線が行く。そこには、四個の眼球が丁寧に置かれていた。  私は一旦、両手で顔を覆い、再び辺りを見渡す。女性の死体の向かって左側の壁に、鮮血で「エリーナ 作品3」と書かれていた。  これで三件目か……。  事件はエリーナ連続猟奇殺人事件として、報道されることになるだろう。しかも被害者はこれで五人目だ。捜査本部は犯人逮捕に躍起になるだろうが、未だに犯人に繋がる手掛かりすら掴めていないのが現状である。  数か月前になるだろうか……。 「エリーナ 作品1」と言う文字が、被害者の血液で扉に書かれている倉庫が発見され、倉庫の中に入ると、中央に女性の死体が横たわっていて、顔が何度も殴られ、滅茶苦茶にされていた。これについては、拳による殴打との見解だった。 また、全裸にされ、首から股間にかけて縦に真っ直ぐに切り裂かれてから内臓が引っ張り出され、体内は空っぽになっていた。引っ張り出された内臓は未だに見つかっていない。恐らく、もう朽ち果ててしまっただろう。  そして、一カ月半くらいまえだろうか……。     
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