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11 生きて行く者
私が笑い続ける中、夏海ちゃんの銃は爆発をし、夏海刑事の両手は吹き飛び、血飛沫が舞い、仰け反ってから、ゆっくりと倒れ込む夏海ちゃん。
笑いが止まらないよ!
夏海ちゃん!
最高だよ!
まさか、こうも私の描いた台本通りに動いてくれるなんて!
お陰で、作品にストーリーを持たせる事が出来たよ!
私が作り上げたストーリーを!
私が、気が付いていないと思っていたでしょう!
知っていたよ。夏海ちゃんが三台のスマフォを持っていたこと。
それと、夏海ちゃんを捕まえた時に、銃に細工をしておいたんだよね。同じ銃を使うと思ったよ。人間は慣れた物を使いたがるからね。
そして、夏海ちゃんは私を打つ時に、ガチガチになって、銃に施された私の細工には、絶対に気がつかないと思ったよ。最も、銃を持ちだした時に、既に気がつかなったから、そこで終わっていたと言う事かな。
要は、夏海ちゃんの性格からして、つまらない正義に捕らわれて、私を殺そうとすることなんて始めから分かっていたよ。
だから、笑いが止まらない。
時間なんて、止めてしまった方が良い時もあるんだよ。
あのまま私を一生閉じ込めておくことができたのに……。
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