11 生きて行く者

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 夏海ちゃんが、無意味な正義を振りかざして、私を解放しちゃった。  正義なんて、所詮、結果オーライなら、それで良いんだよ!  私は近くに落ちていた大きな石を持ち上げて、倒れ込んだ夏海ちゃんの赤く爛れた顔面に思いっきり叩き落とした。  熟れたトマトをコンクリートに叩きつけたかのように鮮血が弾け飛び、夏海ちゃんの身体がびくと大きく震える。  私は夏海ちゃんの服を脱がしながら、手錠の鍵を見つけて、手錠を外す。  車の中を探り、工具箱の中にアンカーのような物を三本見つける。  アンカーを夏海ちゃんの心臓の所に当て、石でアンカーの頭を叩き、アンカーを夏海ちゃんの心臓に打ち込んでいく。アンカーを打ち込む度に夏海ちゃんの身体をびく、びくと痙攣を起こしているかのように揺れ、アンカーは少しずつ胸に喰い込んでいき、胸から鮮血をどくどくと湧きだすようにねっとりと流れ出す。  アンカーを夏海ちゃんの胸を貫いた後、別のアンカーで夏海ちゃんの右手首を打ち抜き、三本目のアンカーを左手首に打ちつけて、夏海ちゃんを地面に磔のような状態にする。  本当は両手の平に打ち込みたかったけど、吹き飛んでしまった物は仕方ないよね。     
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