6人が本棚に入れています
本棚に追加
こ、これは一体どういう事だ
俺は結果書を握り締めて、再び役所の住民相談窓口に怒鳴り込んだ。
窓口には、あの日と同じく、瓶底メガネが座っていた。
「おい、瓶底メガネ!!お前の言う通りにやったのに、また同じ結果じゃないか!この嘘つきがっ」
「嘘つき?私は嘘なんてついてない。寧ろ、嘘をついていたのはあなたの方でしょう?宇城幹久くん」
そう言いながら、瓶底メガネは周りの迷惑になるからと、奥の応接室に俺を促した。俺は不本意ながら、瓶底メガネに促されるまま、応接室へと入った。
あれ?でも俺、コイツに名前教えたっけ?
「あなた、私の言う通りにしたって言うけど、それって上辺だけの事でしょう?本当は優しくする気持ちなんてないのに、価値を上げたいために、心に嘘をついて、優しく親切にしてあげていた。違う?」
「それの何が悪い?」
「それじゃあ価値は上がらない。国の審査システムは、あなたが思う程馬鹿ではない。その人の全てを見た上で数値を出しているの。本人も知らないような所まで全て、見られているのよ?」
その言葉に、俺は背筋がゾクリとした。
一体どうやって?どこから?誰が?
頭の中に幾つも疑問が浮かんで来る。
俺達は一体どこまで、この国に、この国の何かに、監視され、何を目的に管理されている?
最初のコメントを投稿しよう!