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いつも隣りに
きっかけは、ほんの暇つぶしだった。
某アイドルと自分の2ショット写真を、パソコンで合成して作ってみたら思いのほかうまくいったもんだから、ちょっとだけ欲が出たんだ。
「A美とのツーショットの写真が欲しい」って。
A美はバイト連中の中でも一番の美人と評判のJKで、誰からも好かれるみんなのアイドル的存在だった。
とりあえず、名のある大学に通ってはいるものの、性格も見た目も地味すぎる俺なんて、まったく釣り合わない存在だけれど、想うだけならいいじゃないか、そんな風に考えていた。
何枚もA美を隠し撮りし、何枚も俺の写真と合成した。
はじめは、A美が俺の隣で笑っていてくれさえすれば満足だったのに、欲望って言うのは放っておくと、限りなく膨らんでいくものなんだよなぁ。
次第に普通のツーショット写真じゃ満足できなくなった俺は、18禁のサイトからいわゆる「ハメ撮り」って奴を取りこんでは、妖しく絡み合う男女の顔を俺とA美の画像に入れ替えて妄想の世界に浸る悦びを見つけてしまった。
俺の脳内では、A美は俺だけの人形だった。
なのに現実のA美は、俺の事なんて微塵も相手にしやしない。
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