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二人との約束
今日は大おばあちゃん、私の曽祖母の七回忌。盆と正月に顔を合わせる親戚はもちろん、数年ぶりに会う親戚など総勢四十人近くが六畳と十二畳を一間につないだ座敷に所狭しと座った。
「かなちゃん大きくなったね」
「かなちゃんはもうすぐ中学生かぁ。早いな」
声をかけられたが誰だかわからない。家の中には知らないおじさんおばさん、子供たちがたくさんいる。
大おばあちゃんは十一人兄弟の長女で、上にお兄さんが二人いたから順番で言うと上から三番目。一番下の弟とは二十歳近く離れているから、私のおばあちゃんと、つまり大おばあちゃんの娘とほとんど歳が変わらない。
大おばあちゃんはみんなからの人気者で、葬式ではお母さんもおばあちゃんもおじちゃんおばちゃんたちもみんな大泣きだった。優しくて美人で賢くて、みんなの憧れだったらしい。
大おばあちゃんが死んだのは私が六歳の時。みんなは小さい頃の私の記憶をバカにするけど、私は大おばあちゃんの事を鮮明に覚えている。
私は あのおじさん の姿を探しながら、六歳の頃の記憶を辿った。
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