二人との約束

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あのおじさんと初めて会ったのはいつなのか忘れたけど、物心つく頃には親しい親戚のおじさんという位置にいたと思う。 あの日は大おばあちゃんの風邪が悪化したとおばあちゃんから連絡をもらい、車で五時間以上かけてお母さんの実家に帰った。お父さんは仕事だったから来られなかった。 家に着くと最初に私たちを出迎えたのが、あのおじさんだった。 「かなー!よく来たな!」 身長はお父さんより高くて、子どもから見ても格好良い顔の作りと体型で、でも顔のシワはお父さんより多かった。服装は花柄のシャツに黒ズボンやジーパン、鼻の下に少し生やした髭が特徴的で、カバンからいつでも鳩が出てきそうなイメージ。田舎には不釣り合いな姿だと子どもながらに感じていた。 私が走っておじさんに抱きつくと、お母さんは長旅の疲れを顔に浮かべ 「バンパ、おばあちゃんの具合どう?」 と尋ねた。そうだ、おじさんはお母さんたちからバンパって呼ばれていた。 「さっき眠ったところだよ。あ、永遠のじゃないぞ」 「もう、笑えない冗談はよしてよ」 おじさんの背中を叩きながらお母さんは家の中に入っていった。 「おじさん、川で遊びたい」 田舎の夏と言えば私はいつもサワガ二捕りをしていた。バンパはいつも私の外遊びに付き合ってくれた。 「お、カニだな。待ってろ、準備してくるからな」 おじさんは私を三和土に下ろし、「その前に大おばあちゃんに挨拶してこいな」と言った。
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